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開発背景
韓国での二輪イメージは、従来「危険で汚い」とあまり良いイメージとは言えませんでした。それは社会における二輪の役割はほとんどが業務用であり、趣味として二輪車に乗るという概念は、高級輸入バイクを購入できるマニアックな階層だけにしか存在していなかったからです。
97年のアジア通貨危機以降、国内市場保護のための125c以下の二輪車輸入禁止措置は解除され、韓国にも安い中国製スクーターが大量に流入してきました。景気の停滞、ガソリン価格の高騰などの背景により一般市民の中でスクーターの利便性が注目されることになったのです。一方社会的格差は拡がりそれに反発する若者達、「暴走族」が出現し社会問題化して、ここでも二輪車の存在が屈折した形で注目されます。また早い時期からインターネットインフラが構築された韓国では、ネット上のコミュニティーが発達していて全国にスクーター同好会、愛好会が数多く存在し、情報交換やオフ会とセットになったファンミーティングが、ユーザー主体で催されトレンドとして定着しています。
韓国ではこのような二輪車を取り巻く環境の変化がここ10年で急激に起きたのです。これまで実用的な用途だけが必要とされてきた二輪車ですが、近年意識は大きく変化し、遊び道具として市民権を得ることで「趣味の二輪」という概念が芽生え始めたのです。
コンセプト
B-boneは韓国発進の初のレジャービークルコンセプトで、最初のイメージリーダーとなるよう企画開発されたモデルです。中国製スクーターの普及により急速に市場が席巻されてゆく中、これに対抗すべく、「趣味の二輪」という新概念に合わせ、レジャーに特化したイメージで新しい価値観を持ち、トレンドの底辺を大きく拡大するスクーターの開発が求められました。モデルコンセプトは「新しい遊びのステージへの誘い」。デザインキーワードは「Fan
& Leisure」「Stylish &
Nakid」とされました。
二輪車の楽しみは三種類のテーマに分類できます。初めの二つは行動能力の増幅であると言えます。二輪車は歩いているように空気を感じながら、行動範囲を飛躍的に拡大します。知らない場所や初めて出会う人は沢山の刺激を持っていて、「知る楽しみ」=「ツーリング」は、知的好奇心を満足させる人間の本能的な行動欲求です。もう一つは、道具を上手に操りスピードを伴って移動する快感と達成感です。「走る楽しみ」=「スポーツライディング」は、人が競走したくなる衝動を原点とした本能に近い行動なのかも知れません。そして三つ目の楽しみに、「弄る楽しみ」=「モディファイ&ドレスアップ」があります。これには性能追求という行動能力向上目的と、本来の目的とは別に道具に芸術性を加味してゆく、本能を越えた余裕の部分が存在します。近年スクータートレンドはドレスアップが極端にクローズアップされていて、表現の手段を越え目的化しているほどです。すなわち「弄る楽しみ」は文化と言えます。二輪車の楽しみはこれらの要素に集約されていると言えます。
「自分と生活を少しだけ新しく変えてくれる」、「いつもより少し遠くへ出掛けて行きたくなる」。こんな風に二輪車の楽しみを生活に組み入れながら、日々の生活にちょっとした冒険を加えることで、とても刺激的に一日を過ごすことができます。B-boneにはこんな二輪入門者の素朴な欲求がコンセプトに込められていて、二輪車の楽しみの原点がデザインされています。その中でもB-boneは「弄る楽しみ」のベースとなる、良い素材を提供することが特に重要なテーマとされました。
市場調査
2006年、ソウル南山が萌え立つようにサクラが満開になる頃、本格的な市場調査に入りました。韓国におけるスクータートレンドは日本のトレンドと大きく変わることはありません。時間差もほとんど無いと言って過言で無く、マニアは日本の雑誌をリアルタイムでチェックしていますし、ソウルのバイク街、退渓路(テゲロ)もかつての上野の様に活気が有って、カスタムショップも多く軒を列ねています。改造車の展示も華やかでユーザーはこれらの派手な展示車に触発されるようです。
リサーチでは韓国国内の空気をなるべく生で感じるように、沢山のユーザーに会って話を聞きました。日中は様々な職種や立場の違うユーザーにインタビューを行い、夜はソウル市内の走り屋スポットを探索し仮説を検証していきました。ここで言う仮説とは日本のトレンドのフォローで間違いはないかというものでした。実際リサーチしてみると韓国独自の要件が浮彫りになっていきました。韓国では何ごとにもハッキリしたスタンスが必要という傾向があり、日本のような曖昧さが許容される空気はありません。このようなストレートな感覚はデザインにおいても非常に重要な要素です。例を上げればダンサーはダンスが上手いのは当たり前ですが、そのレベルがアマチュアでも非常に高く、人前でパフォーマンスするような人々は、自信に満ち溢れています。これは走り屋クラブも同じで、スクーターでのウィリー&ストッピーのテクニック、完成度の高さには呆れるばかりでした。
レジャースクーターを標榜する上で、B-boneには従来のスクーターと違うハッキリとしたレジャースタイリングが求められ、ストックの状態でも明確な主張と、スタイリングの完成度が必要とされると結論付けられました。
スタイリング
2006年初夏、「クルージング&ドレスアップ」をメインストリームとした、東京&ソウルのスクータートレンドが限りなく近い状態にあることを感じつつ、B-boneのデザインがスタートしました。ここで、B-bone開発における全く新しい概念を紹介していきましょう。根幹となる考え方は発展性、或は拡張性と言えるものです。例えば、パーソナルコンピュータでは個々の要求に合わせたシステムの拡張性を予め持たせることが商品の標準になっています。この拡張性とはパーソナライズが重要なテーマで、ユーザーは自由に自分好みなシステムが構築可能です。B-boneでもこれと同じようにスタイリングの拡張性をテーマにしていて、SELF
EVOLVING SCOOTER
と呼ばれる所以となる概念は当初から明確に打ち出されていました。
拡張性に富むスタイルとはストックの状態でシンプルであることが不可欠です。B-boneはベーシックな素材のままの状態、骨格だけで美しいスタイリングを目指しました。カバーを外しただけのスクーターでは意味がありませんので、プレーンなネイキッドスクーターとしての個性と存在感を追求した結果、特徴的なトラスで構成したサブフレームをフューチャーしたデザインに到達したのです。トラスサブフレームは多くの役割を持っていて。軽妙なネイキッドスクーターでありながら、力強く精度感の高いイメージを持たせ、また純正のアフターパーツの装着ベースとなるのは勿論、ユーザー自身が自由にアイデアを付け加えていく弄りがいのある領域となります。
ネーミングの由来を披露しますと、B-boneのBはB-boyのBで、boneはトラスフレームの骨(bone)です。市場調査の時点で特に強くユーザーイメージとしてインスパイアされた、韓国の素晴らしいストリートダンサー達に敬意を込めて名付けています。
ここで、B-boneの今後についての展開ですが、現在リリースされているは計画全体の一部でしか無いと言う事を伝えておきましょう。今後も成長してゆくスクーターB-bone
に注目して下さい。
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